ヴァーストゥ・シャーストラ
「ヴァーストゥ・シャーストラ」という言葉を聞いたことのある人はどれほどいるでしょうか。占いの一つですが、元々は中国風水の起源になっているとも言われており、古代インドで発祥した思想や学問を指します。「ヴァーストュ」とは、狭義には建築物や住居の意味があり、広義には生命力や環境なども包含した概念を指しています。そのため、「ヴァーストゥ・シャーストラは建築環境学や都市工学、心理学、脳科学などの学問が相当するようです。インドでは、住居やインテリアの配置などを決めるために用いています。
「ヴァーストゥ・シャーストラには5つの要素があり、地・水・火・風・空があります。
「地」は安定性を示すエネルギーを、「水」は流動性、冷性を示すエネルギーを、「火」は熱誠や反応を示すエネルギーを、「風」は軽快さ、運ぶ働きを示すエネルギーを、「空」は空虚さ、空間性を示すエネルギーをそれぞれ表しています。これらの5つの要素によって自然の状態やバランスは保たれていると考えられており、人工的なものがそのバランスを崩すと考えられています。これと同様に人間の身体や気分、出来事もこれら5つの要素の組み合わせでできていると考えられています。例えば、「火」は体温を表しており、「火」のエネルギーの増大として憂鬱さが、また「風」は物流を、「地」は冷静さを表しています。5つの要素が調和よくバランスよくなっていると、良いエネルギーを生み出し、調和していなければ悪いエネルギーとなるとされています。